2021年11月9日(2日目/620日目)
世界に中指を立てて生きる男
ケンカ in my mind
ぼくは「温厚だ」とよく言われる。正確には人前でキレることもあるが、大抵はパフォーマンスとしての怒りであり、周りもそれを理解しているからそういう評価を頂けているのだろう。そのおかげでよく「なんでそんなに怒らずにいられるの?」と聞かれる。いわゆる「アンガーマネジメント」ってやつ。世間一般的には怒りを表現しないことが正解とされているから、こういう質問をしばしば受ける。もはやこの質問はたかとけいたのFAQのページの中でも「よくあるご質問」としてトップページに掲載するであろうものだ。なので今回はその質問に対してここで答えたいと思う。
まず前提として、ぼくはキレています。しばしばキレます。なんなら、キレる回数でいったら人よりよっぽど多いと思う。ただその「キレ」を外に出してないだけだということをみんな理解していない。
そうなってくるとみんなが知りたいのは「じゃあどうやって外に出さないようにしてるの?」ってことでしょ? 簡単よ。心内マウントを取ります。待て。めちゃめちゃ言い方よくないな。ちょっと待って? ちゃんと説明するから。
要はさ、「怒りの感情を出したくない」って悩みって「人に向かって放出したくない」ってのが省略された文脈だと思うのよ。誰かに対してキレ散らかしてるって状況に陥りたくないってことでしょ?
だったら精神の中でマウント取ってやればよくない? 陰口とか悪口は聞き手がいないと成立しないけど、これなら自分だけでできる最高の一人遊びだぞ。
あんまり説明ばっかしてもよく分からないと思うので、ここから先は具体例を挙げて説明しましょう。
一緒にキレてみよう!
よし、じゃあぼくが実際に最近キレた事例を挙げて説明するぞ。そうだなぁ~最近何にキレたかなぁ~。あ、アレだわ。あの、バイト行くときにね、電車乗ってたんですよ。んで乗り換えのときにエスカレーターに立ってたんですね。ぼくはエスカレーターは歩かないで立っているようにしてるのでその日も立ってたんですよ。
とはいえルール的には歩くのは良くないとされているけど、まだまだエスカレーターで歩く人はたくさんいる訳で。その日もエスカレーターの右側は歩いている人がいっぱいいました。そしたらぼくの横を歩いて通り過ぎた人が、ぼくの2,3段前にいたベビーカーに軽くぶつかっちゃって。その人は小声で「(右側に)はみ出してんじゃねぇよ……!」って言ったのよ。不快じゃん?
じゃあこういう場面でぼくの内面がどうなってるか見せるね。
「おうおうおうおう威勢がいいな!!!エスカレーターは!立ち止まって!乗るのが!正しい使い方ですが~!?!?どうしたどうした!自分の知らない使い方してる人見てビックリしちゃったのかな!?!?怖かったのかな!?!?泣き虫ベビーちゃんだったらお前がベビーカー乗っとけぃや!!!!!!!!!!!!!!」
ってなってます。顔色一つ変えずにこのファイトを脳内でやってる。ボコボコにしてる。これを一日20~30回やってる。口に出さないだけで、ぼくは常に何かと争っているんだ。360度、世界の全てに対して中指を立てながらぼくは生きているんだ。
ちなみにこのケンカ、「正論である限り負けない」という必勝法があります。この場合の正論ってのはあくまで「自分の中での正しさ」ってことね。正解かどうかは別として。脳内にいる相手は反論してこないので、持論に正しさを見出していれば百発百中で勝てます。
さぁ、正論という剣を取れ。脳内というコロッセオに相手を引きずり込め。開戦のドラが鳴り響いたら、あとはただ殴って、殴って、殴り続けるのみ。闘うのだ。君たちは剣闘士(グラディエーター)なのだから。
ところで
キレること、そんなに悪いことか? 喜怒哀楽のどれであれ、自分の感情を全力で表現できる人はぼくはめちゃめちゃ羨ましいし魅力を感じるぞ。そもそも自分の感情を出すことができる環境ってとっても恵まれてないか? 甘んじちゃえばいいじゃんそんなん。ぼくみたいに脳内で百人組手やってる奴よりよっぽど健康的だし、周りからすればそんだけ本質が見える人って信頼できるんじゃないの? アンガーマネジメントももちろん社会的には大事なことだと思うけど、それって度の過ぎた怒りが出てしまうのを抑えようってことであって、別に全部の怒りを隠そうってことじゃないと思うぞ。
え? 「知ったような口きくな」?
……あ゛?
~Round 1~ FIGHT!