ライブに、行く。
今日の目的はそれだけ。
ウソです。髪も切ったし映画も観た。
でも今日のメインイベントは、ライブに行くこと。
私立恵比寿中学のライブに、行く。
─10月7日、15時過ぎ
ぼくは横浜駅にいた。
今日はぼくの好きなアイドル、私立恵比寿中学のライブがパシフィコ横浜 国立大ホールで開催される。
パシフィコ横浜に行くのは今回で4回目になる。
初めて行ったのは『エビ中FC会員限定 ファミリーの集い2023』で、その次に行ったのは『私立恵比寿中学 spring tour 2023 ~100% ebism~』の千穐楽公演だった。あとは『kyo-do?』の特典会でも行ったので今回のライブが4回目の訪問。
全部エビ中関連なんだ……。
ホントは去年ここで開催された会社のイベントに応援で行く予定だったんだけど、プロレスの観戦が被ったので行かれなかった。
横浜に来る度に「そういやイベント応援行けなかったんだよな……」と思い出す。
今回もそんなことを考えながら、会場まで時間があるので横浜駅からパシフィコ横浜まで歩いて向かった。
途中で通ったZepp Yokohamaから大量の人が出てきていて、「こっからエビ中のライブをハシゴする人もいるんだろうな……」と思った(「OCHA NORMA」というハロプロのアイドルのライブがあったらしい)。
そうこうしてる間に、16時くらいにはパシフィコ横浜に着いた。
ちなみにパシフィコ横浜にある広場では、キッチンカーが数台出ていて、アイドルがフリーライブをしていた。
開場まで暇を持て余しているエビ中のオタクがアイドルのライブを楽しんでいて、とても良かったです。出番が終わったであろうアイドルもキッチンカーで買い物をしていた。平和だね。
みなとみらいをフラフラしてもなお時間があったので、海沿いに座って仕事をしていた。
休みの日にもパソコンを持って出かけるの、悲しすぎるな。
そうこうしている間に開場時間が近づいてきたので、入場待機列に並ぶ。
ライブでもテーマパークでもそうだが、入場を待っているこの時間が一番長く感じるよな……。
何をして過ごすのが正解なんだろうな、この時間は。
音楽聴いたりスマホでゲームしたりするのが多いんだろうけど、なんかあんまりしたくないよな……。
入場前のソワソワ感に真正面から向き合いたいという気持ちがある。
そのソワソワ感にしっかりと向き合うという誠実さを大切にした方がいいと思うんです。
そんなことを考えてたら開場した。
人が集まって電波が悪くなるのでチケットが表示できず、列から外れている人がたくさんいた。
この光景を見ると、ライブに来た感じがする。
ぼくはチケットが表示できなくなることはなく、無事に入場ができた。
入場前には、ライブに関する注意事項が掲示されていた。
その中にある「光物禁止」という注意書きは、普段のライブでは目にすることのないものだったので新鮮だった。
アイドルのライブと言えば、ペンライトやサイリウムなどの光物を振り回しながらコールをするイメージがある人が多いと思う。
実際、それで合ってる。
では何故、「光物禁止」の注意書きが出ているのか?
それは今回参戦したライブのコンセプトに理由がある。
今回ぼくが行ったのは「私立恵比寿中学 『オケラディスコ2023』」という公演だった。
どういうライブかというと、オーケストラの生演奏をバックに、ディスコ要素のある演出をするというもの。
ぼくも実際に観るまで理解はできなかったので、ここでつまづいても一切問題はないです。
とにかく、そういった演出に重きを置いたライブ形式なので、光物は禁止されているんだろう。
この『オケラディスコ』は今年が初めての開催のため、ぼくらもよく分からないままチケットを買い、よく分からないまま入場している。
この「未知」という部分、楽しさを増幅させる装置でもあるので大切にしたい。
そんなこんなで物販をとっとと済ませて座席へ。
今回は1階の後方ブロック最前列、すなわち大きな通路を挟んで後方側の一番前だった。
席に着いてからはラジオを聞いていた。
ライブの開演前に『かまみく』聞くのってあんまりマナー的に良くないのかもな。
そうこうしているうちにライブが始まった。
舞台上にあるDJブースに女性が現れ、『ebiture』をリミックスした楽曲を鳴らしながらノっている。
普段のライブならこの『ebiture』が流れたタイミングでみんな立つんだが、いかんせんリミックスされているもんで開場の全員が立ち上がるタイミングが分からずアワアワしていた。
見かねたDJが「立って!」みたいなジェスチャーを送っていた。
その後もディスコのノリ方が分からないオタクたちをDJが懸命に誘導していた。
なんか、ゴメンな……。
ちなみにこのDJさんはオープニング以降は一度も出てこなかったです。
1.『ポンパラ ペコルナ パピヨッタ』
本編1曲目は『五五七二三二〇』という謎のアーティストの曲、『ポンパラ ペコルナ パピヨッタ』でした。まさか1曲目からカバーとはね……。
本家本元と声もそっくりだし、引けを取らないパフォーマンスでしたね。
2.『参枚目のタフガキ』
この曲は春ツアーのセトリにも入っていたので、今年はかなり聴いている気がする。
『ポンパラ ペコルナ パピヨッタ』は棒立ちで歌う曲なので、この曲から楽しそうに振りコピをしている人が出てきた気がする。
3.『でかどんでん』
みんな大好き『でかどんでん』。ぼくはライブで聞くのは初めてだったかもしれない。この曲もみんな振りコピをしていた。
りったんの「でん! でん!」、好きです。
ここまでが最初のセクションで、MCが挟まれていた。
この時点でぼくの頭にはある考えが浮かんでいました。
「オーケストラもディスコもそんなにでは……?」
たしかにエビ中のバックにはオーケストラがいて、生演奏をしてくれている。じゃあオーケストラ要素はそこでいいや。
だとしてもディスコは今のところ感じていなかった。
ディスコってもっと、『パルプ・フィクション』とかああいうイメージなんだけど……。
振りコピで踊るのをディスコと言うのか?
そもそも最初にDJ出てきてたけどそれはディスコじゃなくてクラブじゃない?
そんなぼくにはお構いなしで、ライブは次のセクションへ続いていく。
4.『歌え!踊れ!エビーダダ!』
レア曲です。最近のライブで披露されたことってないんじゃないかな。
曲としては好きなので、披露されたのは純粋に嬉しかった。
5.『中人DANCE MUSIC』
若干のファンクっぽさを持っている曲。ディスコの要素があると言えばあるかもしれない。
ただ一方で、そういう曲はオーケストラ要素が薄くなるのかもしれない。
6.『PLAYBACK』
打って変わってこちらは聴かせる曲なので、オーケストラが演出としてハマっていた。ストリングスが素敵でした。
ただその一方で、やはりディスコ要素はあまり感じない。
7.『Summer Glitter』
今年の夏にリリースされた新曲で、ぼくはあまり知らないが韓国っぽさをもっている楽曲らしい。韓国っぽさってなんだ……。
こちらもオーケストラが活きる曲で、金管が活躍してました。
ここで再度MCが挟まれる。
ここだったかどこのタイミングだったかは忘れたが、MCで「『オケラディスコ』とは何なのか?」という話題が上がっていた。
メンバーは10~20代のため、そもそも「ディスコ」が何なのかというところから話は始まっていた。
ゆのぴは「JUSCO」と答え、えまちは「ビスコ」と答えていた。
じゃあ今回のライブを「オーケストラとJUSCO/ビスコの融合」だと考えてたってこと?
JUSCO、もう無いし……(今はイオンです)。
一番それっぽい答えでも「ジュリアナ東京」を上げていた。
ジュリアナとディスコも別物だしな……。
「ディスコ」がフワフワしてるのに、『オケラディスコ』にディスコ要素を感じられるはずがない。
8.『ジブンアップデート』
この曲はちょっとディスコっぽかったかもしれない。テンポも速い曲だし。
もともと好きな曲なので、ここに関してはオーケストラとかディスコとか関係なく楽しんだ。
9.『シンガロン・シンガソン』
これも振りコピ曲。そしてコールというか、声出しの部分がある。
特に触れてこなかったけど、ここまでの曲は全て基本的にはコールをしたりするパートがない曲だったんです。声出しできない時期のライブみたいだった。
10.『日進月歩』
好きな曲です。初めてライブで聞くことができました。
今回のライブは振りナシでやる曲もいくつかあったんですが、この曲を振りアリにしたのは意外だった。
そしてここで再度MC。次のセクションは緩やかに聴かせるパートなので着席してほしいとのこと。
この時点でぼくのイメージするディスコ像とはズレが生じる。
11.『宇宙は砂時計』
聴かせる系の常連となったこの曲。『ちゅうおん』や『大学芸会』でも引っ張りだこのこの曲。
小林さんのパフォーマンスが光る一曲です。
12.『星の数え方』
3パートのハモリがある曲。これもエビ中の代表曲と言っても過言ではないと思う。
10人体制になったので3人ずつハモると1人溢れてしまう。仲良くしてほしい。
13.『まっすぐ』
最後のののかまるのパートをオタクが暖かく見守る曲です。
どんどん上手になってきてるな。
そして最後のMCが挟まれる。
ディスコ要素は未だ満足には感じられない。ぼくのディスコの認識が間違っているのか?
14.『ハイタテキ!』
一番オーケストラ要素を感じた曲。そして会場の全員が絶対に披露されると確信していた。
なぜならこの曲は前奏にベートーヴェンの『歓喜の歌』が使われているんです。
オーケストラを売りにしたライブでこの曲をやらなくて何をやるというんだ。
15.『感情電車』
緩やかに、オーケストラを贅沢に使ったようなアレンジで披露されていました。
小林さん、再度大活躍でございます。
16.『One More Time』
急に?
最後の最後でディスコ要素を見せるためか、自分たちの曲ではなくDaft Punkのカバーでライブは幕を閉じた。
強引だな……。
『オケラディスコ』とはなんだったのか
前述の通り、MCで「『オケラディスコ』とはなんなのか」という問いが提示されていた。
MCでは「このライブを通してその答えを見つけていきたい」とも発言されていた。
なのでこの問いに対する、ぼくなりの答えも残しておく。
『オケラディスコ』とは、『オケラディスコ』なのだ。
オーケストラがどうとかディスコがどうとか、そういう前フリを気にするから見失ってしまうんだと思う。
たしかにオーケストラはいたが、キーボードやエレキギターなどのバンドだっていた。
ディスコの定義はよく分からんが、ダンスミュージックのことを指してるならそれは普段のライブでも体感できる。
『オケラディスコ』はオーケストラでもディスコでもなく、『オケラディスコ』という新ジャンルなのだと思う。
もちろんそれに対する好き嫌いは個人の自由だ。何事にもノれるノれないはあるんだから。
要は最初しか出てこないDJがいて、オーケストラとバンドの生演奏があって、振りコピ曲はあるけどメンバーはいつもの振りをしなかったりして、オーケストラの演奏があるからかは分からないけどコールのある曲がほとんどなくて……。
そういうライブが『オケラディスコ』なんだと思う。
エビ中のライブにまた一つ新しい定義が生まれたんです。そのものの評価は別として。
そんなことを考えながら、ぼくは明日の東京国際フォーラム公演に参加をしてきます。